「私はコンシェルジュ<けっしてNOとは言えない>職業」感想

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わたしはコンシェルジュ―「けっしてNOとは言えない」職業
わたしはコンシェルジュ―「けっしてNOとは言えない」職業

■ ホテルに泊まったとき、コンシェルジュを利用しますか?
私はまだまだです。
今後の参考になるだろうと思い、この本を読んでみました。


■ 著者は、阿部佳さん。
1992年 ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルにコンシェルジュとして入社し、その後『The best hospitarity of Prize of the year 2000』の受賞歴がある。
顔写真を拝見すると”お高くとまった美女”風ではなく、”きれいな人だけど、話しやすそう”な感じ^^
 

■ 面白くてサクサク読めたけれど、読み終えての感想をひと言で言うなら、「優等生っぽい本」、かな。

内容は、どうして彼女がコンシェルジュになりたかったのか、どのようになったのか。
コンシェルジュの仕事内容・苦労話を経験談を織り交ぜて説明。
コンシェルジュとして彼女が心がけていること。
”コンシェルジュ”とは。ホテルの使い方。など。

自分の職業をネタにした本って、面白くて好きなので、私はよく読むのですが、たいていの味付は著者がアウトロー的で、少し違った視点で、その仕事を見ていることが多いですね。
でも、この本はホテル名(=信用第一の高級ホテルです)がしっかり出されているので、下手なことは書けないんでしょうね。
本にも書かれていますが、彼女達、ホテルのスタッフはホテルのイメージを壊さないように心がけていらっしゃいます。
本も、そのままな感じです。
本を読むときはいつも、「どういう狙いで、この本を書かれたのかな?」と無意識に探りながらページをめくるのですが、これは『親切にコンシェルジュの仕事を具体的に解説している本』といった感じ。
笑いも、意外性もありません
小・中学生くらいの子がこの本を読んで、「わぁ〜、面白そう〜!大きくなったらコンシェルジュになってみたい〜!」と思わせるような、ワクワク感が足りないのが少々残念。


■ さて、コンシェルジュの仕事。
大変ですね〜。
お客様に難しいリクエストや質問をされて、余裕を持って答えるというのはすごく大変。
私(旅行カウンター担当)も、お客さんから突拍子もない事を聞かれたり、勉強不足で知らないことを聞かれても、「わかりません」とは答えません^^;
即答なんてできないことばかりですが、「こういう時はXXを探せば載ってる」、「xxxに聞けばわかる」という方法を頭の中にストックしています。
コンシェルジュも難問(?)を頼まれると、腕がなるそうですが、僭越ながら、私もその気持ちがわかります^^
頭の中で普段の倍以上もの速さで色々考えながら、(何かトラブルがあったときも…)、お客さんの方を向きながらにっこり笑顔を作る自分に、妙な快感があります。


■ この本を読んであるコンシェルジュを思い出しました。
子ども二人を連れて外国旅行をしたとき、子どもが地下鉄の中にリュックを忘れて降りてしまいました。
改札を出て気づきました。
リュックの中には、子どもの大事なゲームボーイが入っていました。が、自分の失敗なので、泣きたい気持ちを抑えているようす。
私は慌てて駅員に「子どもがリュックを車内に置き忘れた」と言ったのですが、冷たく「ここに電話して」と遺失物係の電話番号を書いた紙をくれただけ。
公衆電話を探して電話をかけましたが、「うちの担当じゃない」といって電話を切られてしまいました。
「もう、どういうこと?」と、頭にきましたが、その駅のすぐ側のホテルに泊まっていた私たちは、”コンシェルジュなら相談に乗ってくれるはず!”と、急いでホテルに戻りました。
そして、状況を細かく説明すると、コンシェルジュはすぐさま、あちこちに電話をかけてくれました。
部屋に戻って待っていると、、コンシェルジュから電話がありました。

「その電車は終点まで行くので、その駅で見つかれば、あすホテルに届くよう手配しました」と返事をいただけました。
日本と違って、子どものリュックであっても列車の中の忘れものがあれば、誰か持っていってしまっても不思議ではありません。
子どもにはそう言って、あまり期待しないように言い聞かせておきました。

そして翌日、日帰り旅行から戻り部屋に入ると、あのリュックがベッドの上に置いてありました!もちろん、大事なゲームボーイも入っていました。
なんて運がいいの?
コンシェルジュさんに御礼を言いに、下へ降りていきましたが、別のコンシェルジュさんしかいませんでした。
また、その次の日も別の方で、お世話になったコンシェルジュさんにはお礼を言えずじまい。そのまま帰国。
この場をお借りしてお礼を言わせて下さい (…って見てるはずありませんね(^^ゞ)


■ 色々予期せぬことが起っても、コンシェルジュは様々な手段やツテなどを使い、ホテル宿泊者のために骨を折ってくれるんですね。
「傘はどこで売ってますか?」くらいじゃなくて、もっと遠慮せず、どんどん利用したいものです。
コンシェルジュは、そういうお客さんを待ってるそうですよ!

★★★★☆

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